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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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「透明ドリちゃん」についての情報、あと柿崎澄子についての話

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ずいぶん以前に、「日活児童映画」についての記事を書いたことがあります。3年前の記事です。

昔、日活児童映画というのがあった

Yahoo!で「日活児童映画」を検索すると、私の3年も前の記事が上から2番目に表示されるくらいで(上の画像は、2015年7月25日のもの)、「日活児童映画」というものがいかに忘れられた存在であるかがわかります。記事にも書きましたように、製作されなくなって20年以上が過ぎたということもさることながら、すでに映画の趣旨自体が現代社会のニーズにこたえていないのでしょう。だから今日、同じような映画が製作されることもないわけです。

で、そのシリーズの1作に1976年製作の「四年三組のはた」という映画があります。宮川ひろの原作の映画化で、産休の教員と、その産休教員の代替教員、さらにそのクラスの児童と保護者、他の教員らをからめた作品です。

86分という短い時間の映画なので、やや内容を盛り込みすぎかもしれませんが、製作する側も非常に一生懸命製作したことはわかる作品です。

実は前の記事で、私は

>が、過日、1本の映画のVHSビデオを大枚をはたいて入手しました。その記事を後日書きます。

と書きました。この続きをまだ書いていないのですが、私が大枚をはたいて購入しましたのはこの映画のVHSで、そのことについての記事を書こうと思ったのですが、今日は申し訳ありませんが、私が書きたいのはそのことではありません。この映画に主演した子役についての話です。

この映画の主演は、産休教員を演じた立石凉子と代替教員の南美江ですが、児童側の中心となるのが、柿崎澄子と沢木由里子という2人の子役です。今回書きたいのは、柿崎澄子のほうです。

彼女はこの作品以前から子役活動をしていまして、Wikipediaによると、73年に「走れ!ケー100」の第37話に出演しているとのこと。74年放送の「われら青春!」では 草薙幸二郎が演じた中岡先生の長女の役で、第16話に登場しているとのことです。どちらも映像ソフトが発売されているようですから、入手してみようか。期待しないでお待ちください。

柿崎は1964年生まれですので、実際にはこの映画撮影中小学校6年生だったと考えられます。演じている年齢より2歳年上ですので、やや大人びた雰囲気です。日活児童映画で児童の主役を演じたのは、たぶん彼女が子役として優れた能力があると認められたがゆえのことでしょう。

それで1978年の1月から彼女は、テレビ朝日の土曜日19時30分からの30分番組「透明ドリちゃん」に主演します。これは、普通の少女がひょんなことから魔法使いになるというファンタジードラマです。石森章太郎(当時)が原作をつとめたもので、いわゆる実写ものとしては後にシリーズ化された「東映不思議コメディーシリーズ」のはしりとされます。上の写真は、当時発売された主題歌のレコードです。ちょっと調べてみたところでは、なかなか入手が難しいレアアイテムなのかもしれません。画像は、こちらのブログ様からいただきました。

柿崎澄子さんって・・・。

当時は裏番組に「クイズダービー」があって、これが圧倒的に高い視聴率を誇っていましたが、「透明ドリちゃん」も最初の8パーセントくらいの視聴率から終盤には12パーセントと4パーセント視聴率を上げることができました。裏番組の強さを考えれば、たぶん製作者側・放送局側ともに満足できる視聴率だったのでしょう。

なお彼女は1964年生まれでして放送されたのが上にも書いたように1978年1月~7月(1日終了)ですので、実際の撮影は77年からはじまっていたと考えられます。つまり中学1年生から2年生にかけての仕事だったのでしょう。ドラマの設定によると彼女は5年生です。「四年三組のはた」でも、小6で小4を演じているわけで、やや大人びています。

それで、先の「四年三組のはた」とこのドラマが、結果としては彼女の芸能生活の頂点となってしまいました。映画については「人魚がくれたさくら貝」という作品は彼女の主演だったようですが、これは評価があまり芳しくなく(今日までソフト化されていないので私も未見で判断はできません。1時間をちょっと超える長さの中編映画です)、テレビドラマについても主演をはることはできませんでした。「太陽にほえろ!」や時代劇などにゲスト出演をしています。詳細は、Wikipediaで確認をしてください。

映画では、大林宣彦監督が彼女を気に入ったようで、「転校生」ほか数作品で彼女を起用しています。原典でなくネットからの引用で恐縮ですが、こちら(上のブログ様のURL)によると

>~根強いファンを持つのが、川原敬子役の柿崎澄子。子役の頃から活躍しており、日活児童映画、「四年三組のはた」(76)や、TVドラマ「透明ドリちゃん」(78)等に主演。私が助監督でついた「夕暮まで」(80)で、伊丹十三演じる作家の娘役で出演。その時の印象で敬子役に推薦したのだか、(略)その後、「さびしんぼう」、「彼のオートバイ、彼女の島」、「野ゆき山ゆき海べゆき」、「姉妹坂」に出演。多くのTVドラマでも活躍した。劇団NLTの養成所を出た後、私の監督したオリジナル・ビデオ、「セーラ服TATTOO」(91)に高校教師役に出演。作品を見たプロデューサーが、途中まで生徒役だと思っていたと。撮影終了時に、もう少し大人の色気が欲しいなぁと言った覚えがあるが…。しばらく舞台を中心に活動していたが、現在は休業中。カムバックを望むファンも多いのでは…。

だそうです。上の出典は、「大林宣彦の映画談義大全《転校生》読本 著者/大林宣彦 角川学芸出版」とのこと。執筆者は、

>「転校生」(82)の助監督だった内藤忠司氏

だそうです。

たしかに彼女の写真を見ると、いかにも性格はおとなしそうなところがありますから、芸能界で生きていくにはそのあたりは必ずしもプラスではなかったのかもしれません。

テレビドラマの出演は80年代いっぱいくらい、その後はもっぱら舞台で活動したようですが、2000年ごろが最後の活動時期だったようです。こちらに2000年の舞台をご覧になった方の記事(魚拓)がありますので、興味のある方はお読みになってください。

なお、フジテレビの黒歴史(?)、視聴率最低ドラマとして(悪)名高い「ピーマン白書」にも彼女は出演しています。私は見ていないのでめったなことはいえませんが、このドラマの最終回のゲストとして「沢木由里子」の名が見えます(Wikipediaの「サブタイトル」「ゲスト」に名が見えます)。たぶん「四年三組のはた」に出ていた女の子と同じ人でしょうが、私の調べた限りこのドラマ以外で名前を見かけません。たぶん「四年三組のはた」以降も「その他大勢」で出演していたのでしょうが、ここでも柿崎澄子との競演だったというのは、偶然か必然か?

柿崎さんが芸能界から姿を消して(たぶん)15年くらい経っていますが、なんで私がいまこのブログで彼女を紹介したかというと、ほかでもありません、上でとりあげた「透明ドリちゃん」が、8月から東映チャンネルで放送されるのです!!!

>透明ドリちゃん

透明ドリちゃんの作品詳細 特記事項 シリーズ開始、東映チャンネルHDではHD放送 製作年度 1978 監督 竹本弘一、平山公夫 脚本 上原正三 出演 柿崎澄子/安藤聖一/佐藤充/藤村有弘/吉野佳子/曽我町子/安藤一人 上映時間(分) 30

この情報を、私は彼女とこのドラマについて調べていて、こちらのブログ様で知ることができました。

 8月の東映チャンネルに括目せよ!

最初は、でもとっくの前に放送なんて終わっているんだろうなと思ったのですが、しかし記事を読むと、今年8月からの放送じゃないですか!!! いやあ、人生たまには運がいいこともあるもんです。

「透明ドリちゃん」は、DVD化されていませんし(第1話のみアンソロジーの1部として収録)、CSでもなかなか放送されていないようです。情報を記してあるブログの管理人様によると、97年が最後の放送ではないかとのこと。東映チャンネルのHPにもありますように、このチャンネルでの放送は初めてです。

それで、私が情報を仕入れさせていただいた管理人様は、ドラマの画像をキャプチャーして、全25回のあらすじを紹介し、さらにロケ地も探索しておられます。その努力には敬服以外の言葉が見つかりません。「透明ドリちゃん 第1話 パパ!私を叱って」以下、全話をご紹介されています。 

で、私がざっとあらすじを読んだ限りでは、このドラマは魔法というのは隠し味で、もっぱら日々の日常生活を扱ったものではないかなという気がしました。つまりさほど魔法という必殺技に依存していないのではと考えました。ただあとはドラマをみて、自分なりに判断をする必要があると思います。ちなみに、こちらのHPをお書きの方も、   > 長坂脚本1本目は、ダメな男の自立を描く根性もの。ファンタジー作品でありながら、その魔法的要素はあくまで傍流で、物語はつねに人間ドラマが中心というのがこの『透明ドリちゃん』の魅力でもあります。この第3話も、本来なら主人公のミドリが「魔法」を使ってシンヤを助けるといった展開にしそうなところを、逆に「魔法」を否定させることで「真の思いやりとは何か」という物語のテーマを描き出している部分が重要です。   とお書きになっています。上の「長坂」とは、脚本家の長坂秀佳のことです。上にHPは、長坂氏のファンサイトですので、他の脚本家の作品については言及はありませんが、作品のコンセプトが根本的に違うことはないんじゃないかと(勝手に)考えます。ほかに安藤豊弘上原正三西条道彦筒井ともみといった有名どころが脚本を担当しています。   ちなみにこの作品は、戦隊ものの撮影で有名だった東映生田撮影所(生田スタジオ)の最終製作作品とのこと。上のブログ様の調査でも、ロケ地は川崎中心です。生田スタジオ閉鎖の事情については、私もネットで情報をあたったのですがこれといった理由を見つけることができませんでした。このスタジオが活動していたのは10年にも満たない期間だったわけで、やはりコストが引き合わなかったということは容易に想像できますが、そのあたりも期せずしてエポックメイキングな作品になってしまったということでしょう。   現在柿崎さんはこれといった芸能活動はされていないのですが(「透明ドリちゃん」がDVD化されれば、イベント、あるいはオーディオコメンタリーなどをしてくれるかもです)、お元気であればいいなと思います。   というわけで、この記事を読んでこのドラマに興味を持たれた方がもしいらっしゃれば、ぜひぜひこのドラマを放送している期間だけでも東映チャンネルにご加入願えませんかね。いまの時代ではなかなかない、このようなほのぼのしたドラマをみるのも、そう悪いことではないと思います。東映チャンネルの視聴料もそんなに高いわけではない。   なおこの記事を書くにあたって、上記2つのブログ様から非常に貴重な情報をいただきました。強い感謝をさせていただきましてこの記事を終えます。

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