なかなか明るいニュースを読みました。
>馳文科相、「組み体操」中止を検討
産経新聞 2月5日(金)17時8分配信
馳浩文部科学相は5日の衆院予算委員会で、運動会での「組み体操」の中止について「重大な関心を持って、文科省として取り組まねばならない」と述べ、前向きな考えを表明した。維新の党の初鹿明博氏の質問に答えた。
現段階ではあくまで
>検討
>前向きな考え
という段階のようですが、とりあえず良かったですね。各自治体が、「組み体操」の中止その他について前向きな対応を必ずしも見せていないのであれば、私も中央官庁が教育の細かい点について口を出すのを好きな人間じゃありませんが、しかし文科省が直接出るしかないと思います。話は、児童、生徒の安全にかかわる問題であり、今後また日本中の小学校でけが人が出てしまっては、まさに目も当てられないことになってしまいます。
私はこのブログで、数回組み体操について関係するの記事を書いています。
そんなに危険なら、組み体操なんかやめてしまえばいいと思う 「感動」とは安全に優先するものではないと思う(そもそも「組み体操」で「感動」なんか私はしない)(1) 「感動」とは安全に優先するものではないと思う(そもそも「組み体操」で「感動」なんか私はしない)(2) 学校体育は強制参加であり、そうであればますます細心の注意を必要とする(追記あり)(訂正あり)それで昨年話題になった八尾市の中学校での事故の動画を再度はりつけます。
大中ピラミッド(大阪府八尾市立の中学校における組体操事故)
どうでしょうか。プロのなんとか雑技団がやるのでなく、素人の児童を(事実上)強制参加させてこんな事故が起きているのでは、お話にもならないにもほどがあるというものではないでしょうか。
さらにこちらの動画によると、
体育祭において、“10段ピラミッド”が崩壊 6人重軽傷の事故に
だそうですからねえ。こんなの保護者は莫大な損害賠償を請求したっていいんじゃないんですかね。それで、この中学校の校長にいたっては、
>今後の実施について検討する
とまで語る始末です。あんた生徒の安全についてどう考えているんだよですが、でもたぶんこれ、この校長個人を非難しても、本質的な問題じゃないんでしょうねえ。それもどうかです。何しろ神戸市の小学校などは、
>組み体操の事故、どう防ぐ 苦慮する学校 神戸
とまでありますが、ね、ね、ね、ね。組み体操なんかはじめっからしなければ、事故なんか起きないじゃん。話が根本的に錯誤じゃんと思います。だいたいNHKによると(魚拓)
>全国の学校で、組み体操の最中に起きた事故は、1年間だけで8500件以上。そのうち2200件あまりが骨折です。頭部や首、腰などの体幹部のケガが多いのも特徴で、中には深刻な後遺症が残るケースもあります。
とあるんですから、ちょっとやそっとの危険さではありません。引用した記事では、頭蓋内で出血を起こし、その後難聴になった児童の話が紹介され、医者が
>多くの場合は軽傷ですむが、生命に危険が及んだり、後遺症を残したりする外傷を負う危険性があるので、重大な事故が起きる前に組み体操は止めた方がいい
とまでコメントしているくらいです。医者がマスコミでここまで発言するのは、相当なものだと思います。
で、今回の国会答弁があった背景には、たぶんこちらの件が関係していると思われます。
全国的に事故が多発している組み体操について、文部科学省の義家弘介副大臣が本紙の取材に応じた。高さの目安を示した愛知県や有識者会議を設置した東京都など、各地の教育委員会が安全対策を講じる中で、文科省としては独自調査や規制はしないとの姿勢を示した。 (細川暁子)
(後略)
また義家か、と思いますが、それはともかく、この義家発言が想像以上に評判が悪く、それでたぶん今回の文部科学相の国会答弁につながったのでしょう。なにしろ義家ときたら、
>副大臣は組み体操をした経験はあるか。
自分も小中学校で行ったし、小六の息子も去年やった。五~六段の組み体操で、息子は負荷がかかる位置にいて背中の筋を壊したが、誇らしげだった。全校生徒が羨望(せんぼう)のまなざしで見る中で、「ここまで大きくなった、見事だ」と私自身がうるうるきた。組み体操はかけがえのない教育活動で、悪いことではない。それを文科省が規制するのは違う。
とまで語っているくらいですからね。どこまでお前馬鹿なんだよと思いますが、まあでもさすがにこの記事へのはてなブックマークは、批判的なコメントが多いですね。たぶんこの件が文科省なり自民党なりでもそれなりに問題になったのでしょう。そうであるならば、この義家の馬鹿発言も悪くはなかったのかもですね。
いずれにせよ、この件については私もこれからも動向を見守っていきたいと思います。