また例によってご紹介するのが遅くなってしまいましたが、今月(2020年5月)の『日本経済新聞』の「私の履歴書」を、岸恵子(岸惠子)が執筆しています。昨日(5月11日)は、鶴田浩二と一緒に歩いていて田んぼに脚を落としたという話を書いていました。
約束彼女は文筆家(Wikipediaでの表記)でもあるので、なかなか面白い話を書いてくれそうですが、もちろんパリでの話とかいろいろあるにしても、私が期待したのが、このブログでも数回記事を書きましたけど、1972年公開の斎藤耕一監督作品『約束』は、一般には萩原健一の出世作として知られますが、岸の中年時代の代表作でもあるわけです。演技にまだまだ不慣れな萩原を、岸がうまく包み込んだわけであり、まさにショーケンは、岸には頭が上がらないというところです。
ほかにも『早春』(1956年小津安二郎監督)などの話もしてくれるかもです。もう小津映画の出演者も、お亡くなりになっている方も多いので(なにしろ原節子も1920年生まれですから)、いろいろとまだ語られていないことをご教示いただければ幸いです。そういう意味で言うと、原節子には、映画やテレビドラマなどの出演は期待しなくても、回想録のたぐいは是非書いてほしかったな。
岸はすでに
女優 岸惠子などの著書がありますから、もしかしたら既知の内容を超える話は出ないかもしれません。しかし昨年萩原健一が亡くなっているので、もしかしたら萩原存命中には書きにくいがいまなら書けそうだということもあるかもです。そのあたりは、ここはやはり期待して待ちたいと思います。実際この映画の成功が幸いして、彼女は『男はつらいよ 私の寅さん』や『ザ・ヤクザ 』のような知名度の高い作品に出演したのです。
実際には、岸恵子ですから、連載終了後に書籍化される可能性が高いと思います。もしされたら目は通しておこうかなと考えます。
実は私、生の岸恵子を見たことがあります。2016年に朗読劇『わりなき恋』で彼女の姿を見ることができました。すごい迫力でした。80を超えてよくあそこまでできるものだと思いました。という話をたまたま母にしたところ、母も何かの映画の撮影をしている彼女の姿を見たことがあるといいました。ほんと、長く活動している人です。
現在図書館が開館していないところが多いと思いますので、閲覧もしにくいかもしれませんが、読める環境にある方はぜひお読みになってください。