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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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結果として、スウェーデン王室や英国王室のようになったと思う

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先日からちょっと話題の件を。NHKのHPより。

>眞子さま 小室圭さんと年内にも結婚の方向で調整
2021年9月1日 13時18分 

秋篠宮ご夫妻の長女の眞子さまが、婚約が内定している小室圭さんと年内にも結婚される方向で調整が進められていることがわかりました。婚約や結婚に伴う儀式は行われない見通しです。

関係者によりますと、眞子さまと小室さんは、小室さんがアメリカ・ニューヨーク州の法律事務所への就職の見通しが立ったことから、年内にも婚姻届を提出して結婚される方向で調整が進められているということです。

眞子さまは、結婚によって皇室を離れたあと、アメリカに渡って小室さんと新たな生活を始められる見通しです。

一方、一般の結納にあたる「納采の儀」や、天皇皇后両陛下にお別れのあいさつをする「朝見の儀」など、女性皇族の婚約や結婚に伴う皇居・宮殿での儀式は、すべて行われない見通しだということです。

また、皇室を離れる際に支給される一時金についても、眞子さまは、受け取らないという意向を示されているということです。
眞子さまの結婚について、秋篠宮さまは、去年11月の記者会見で「憲法にも結婚は両性の合意のみに基づいてというのがあります。本人たちが本当にそういう気持ちであれば、親としてはそれを尊重するべきものだというふうに考えています」と述べられていました。
小室圭さん 司法試験の結果は12月中旬までに発表 
小室さんは、ことし5月、アメリカ・ニューヨーク州のフォーダム大学が設置するロースクールを卒業し、7月にはニューヨーク州の司法試験を受験しました。

試験の結果は、ことしの12月中旬までに発表される予定で、小室さんは、今もニューヨークに滞在しています。

これまでの経緯は 

眞子さまと、小室さんの婚約は、4年前の平成29年9月に内定しました。

しかし、その年の暮れ以降、週刊誌などが「小室さんの母親と元婚約者の男性の間に金銭トラブルがある」と相次いで報じ、一般の結納にあたる「納采の儀」など結婚に向けた行事が延期されました。

去年11月には眞子さまが、小室さんとの結婚について、延期されて以降、初めてお気持ちを文書であらわし、「私たちにとっては、お互いこそが幸せな時も不幸せな時も寄り添い合えるかけがえのない存在であり、結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」とつづられました。

そして、この同じ月、秋篠宮さまは、誕生日の記者会見で「結婚することを認める」と述べた上で、週刊誌などの報道を念頭に「実際に結婚するという段階になったら、今までの経緯も含めてきちんと話すということは、大事なことだと思っています」と述べられました。

一方、小室さんは、ことし4月、金銭トラブルについて詳しく説明する文書を公表し、「元婚約者の男性に解決金を渡す形で解決する意向がある」と明らかにしていました。

加藤官房長官「静かに見守りたい」

加藤官房長官は、午前の記者会見で「報道は承知しているが、私自身、そうした連絡を受けてはいない。眞子さまのご結婚については、これまでも申し上げているとおり、政府としては静かに見守っていきたい」と述べました。

また、記者団が「一般論として、皇室を離れる際に支給される一時金を辞退することは、法的に可能なのか」と質問したのに対し「一時金の支給については、皇室経済法に規定されている。実際の具体的な制度の運用については宮内庁において適切な対応が図られるものと考えている」と述べました。

私は皇室については、いろいろな点で批判的な立場の持ち主ですので、

つまらんことを大げさに騒ぐ馬鹿

眞子さんのこの件について「めでたい」とかそういうことを考えるわけではないのですが、ただこれがどのような形で決着するかはまだわかりませんが、上の報道のようになるという話になると、いろいろな点や意味合いで、皇室の歴史やありかたが、歯車が1つあるいはそれ以上回転したのかなと思います。前に私は、次のような記事を書きました。2019年10月発表の記事です。

スウェーデンの王室の決定について、日本人も日本の皇室と対比して考えてもいいかもしれない

それでいくつか当時の報道で興味深く感じるところを再引用してみます。

>スウェーデン王室、国王の孫5人を王族から除外

2019.10.08 Tue posted at 12:23 JST

(CNN) スウェーデン王室は7日、カール・グスタフ国王の孫のうち5人について、殿下や妃殿下の称号を使わないことになったと発表した。これにより、国民の税金を受け取る王族一家の人数は縮小する。

対象となる5人については今後も王子や王女、公爵や公爵夫人などの称号は維持するが、王族としての公務を行うことは期待しないとしている。

(中略)

マデレーン王女は7日、インスタグラムへの投稿で今回の措置を歓迎し、自身の子どもたちにとっては「一個人として自らの人生を築くチャンスが広がる」と書き込んだ。

兄のカール・フィリップ王子も、2人の息子にとって「人生の選択がもっと自由になる」と歓迎を表明している。

もう1つ。こちらはBBCの記事からです。

>スウェーデン国王、孫5人を王室から除名 「増え過ぎ」の声うけ

2019年10月8日
スウェーデンのカール16世グスタフ国王が、5人の孫を正式な王室から除名すると決めた。7日に発表した。王位継承順位の高い孫2人はそのまま残る。

5人の孫には殿下の称号が与えられない。一方で、王室の家族に義務付けられている行為をする必要もなくなる。

(中略)

王室に詳しいロジャー・ラングレン氏は、同国で王室の人数の増加に厳しい目が向けられていることが関係しているとみる。

「議会は数年前、王室の基本原則を見直すと表明していた。見直し対象の1つが王室の規模だった」

ラングレン氏によると、グスタフ国王は自らの考えで今回の決断をした。イギリスのチャールズ皇太子が「王室を整理」したいと考えているとされることも意識したと思われるという。

また、5人の孫について、独自のキャリアを追求している英王室のベアトリス、ユージェニーの両王女になぞらえた。

過去100年で最多
スウェーデンの歴史家ディック・ハリソン氏によると、同国の王室は過去100年で最も人数が多くなっている。王室を抜けることで、5人は「ふつうの生活を送る」ことが可能になるという。

「5人は束縛から逃れられる。ふつうの人になれる一方で、王室の一員でもあり続けられる」

(後略)

それで、上の引用でも言及されている英国王室でも、このような事態が発生しているわけです。サセックス公爵ヘンリー王子(ハリー王子)のWikipediaからの引用を。注釈の番号、「編集」などは削除します。

>王室メンバーを引退、アメリカに移住

2020年1月8日、ヘンリー夫妻は「主要王族の立場から引退し、(長男アーチーと共に3人)一家で英国と北米を行き来しながら生活する」とインスタグラムにて発表した。「妻は財政的に王室から自立するために働く考えである」という。BBC(英国放送協会)の報道によると、この発表は祖母エリザベス女王と父チャールズ皇太子への相談なしに行われており、バッキンガム宮殿は夫妻の決定に「失望している」と声明を発表している。

というわけです。見出しの太字も、そのまま引用しました。

これは前の記事でもご紹介しましたように、

>マデレーン王女は7日、インスタグラムへの投稿で今回の措置を歓迎し、自身の子どもたちにとっては「一個人として自らの人生を築くチャンスが広がる」と書き込んだ。

兄のカール・フィリップ王子も、2人の息子にとって「人生の選択がもっと自由になる」と歓迎を表明している。

というのは、自分たちは仕方ないが、自分の子どもたちは、自分たちのような目にあわせたくないという意味合いでしょう。それで日本の皇室の場合、男性は皇室からの離脱は甚だしく困難です。桂宮宜仁親王は、Wikipediaによれば

>日頃から「皇族が結婚することは苦しむ人間を一人増やすことだから自分は結婚しない」と述べていた

とのことで、結婚しないとまではいわずとも、そういう悩みを抱えている人間は、皇室の中にも多分少なくないのではないかと思います。

それでNHKの記事にもあるように、

>皇室を離れる際に支給される一時金についても、眞子さまは、受け取らないという意向を示されているということです。

とあるのは、ご当人が「受け取らない」と率先していったのか、皇室と宮内庁で、「小室氏と結婚するのなら、一時金は辞退してもらう」とつきつけたのかは定かでありませんが、どっちみち眞子さんはたぶん受け取る気はなかったでしょうね。ある時点で彼女は、皇室と縁を切ることもやむを得ないと覚悟したのでしょう。そしてその件と

>眞子さまは、結婚によって皇室を離れたあと、アメリカに渡って小室さんと新たな生活を始められる見通しです。

一方、一般の結納にあたる「納采の儀」や、天皇皇后両陛下にお別れのあいさつをする「朝見の儀」など、女性皇族の婚約や結婚に伴う皇居・宮殿での儀式は、すべて行われない見通しだということです。

というのは当然セット、不可分であるわけです。これは、ヘンリー王子が米国に出国したということともつながりますし、それからこれもWikipediaからの引用しますと、

>夫妻のこれまでの経費の95%は父のチャールズがコーンウォール領から得る収入から出ており、残りの5%は国民の税金から出る王室助成金であるという。夫妻はこの王室助成金を辞退する考えであるが、主な経費を出しているチャールズは「金銭的な合意は、夫妻が王室で務める役割次第である」と明言したと英タイムズ紙は報じている

というわけで、5%ではあってもやはり税金からの王室助成金は受け取らない、受け取れないというスタンスなわけです。日本では、官房長官が

>記者団が「一般論として、皇室を離れる際に支給される一時金を辞退することは、法的に可能なのか」と質問したのに対し「一時金の支給については、皇室経済法に規定されている。実際の具体的な制度の運用については宮内庁において適切な対応が図られるものと考えている」と述べました。

とすると、現段階話がまとまっているわけでもないようですが、やっぱり支払わないという方向になるのでしょうね。それは自由な人生を送るということへの対価なのでしょう。無理に支払ったとして、多分ですが(皇室なので)日本赤十字社に寄付するというような形になるんじゃないんですかね。

そして皇室の儀式が行われないということは、「追放」「縁切り」というようなものであり、眞子さんの側からすれば「駆け落ち」みたいなものでしょう。米国に行くというのも、結婚するのならん日本を出ていけというレベルの話でしょう。

そう考えるとこれは、ヘンリー王子の話と酷似しているし、またこれはだいぶ昔の話ですが、ウォリス・シンプソン(シンプソン夫人)とエドワード8世(ウィンザー侯爵エドワード)の関係にもある程度近くなるかもです。エドワードも、王位退位後は、英国への帰国もなかなかかなわず、バハマ総督などの閑職に追いやられたくらいです。彼らがなんとかまともな扱いをされるようになったのは、ようやく1965年ごろからです。たぶんですが、眞子さんも日本に帰国する際は、そうとうなお忍びということになるのではないか。

それにしても、王室のほうでリストラめいた形で王室から追いやった(そして親は、それを歓迎した)スウェーデン王室と、エドワード8世やヘンリー王子を、いろいろな葛藤がありながらも王室から出した英国王室とではまた違いますし、日本の皇室はスウェーデンや英国よりはるかにこのような点で自由度が低いわけですが、ついに強行突破する人物が現れたということになるんですかね。このままいけば、そして報道が正しければ、そうなるのでしょう。もちろんこの報道はリークであり、現段階では間違いないのでしょうが、今後どうなるかはこれからの経緯を見ていかなければなりません。けっこうこれは、皇室のメンバーであっても、対価とともに一定の自由を得ることができるという前例となるわけで、今後の皇室の在り方にいろいろな影響が出るでしょう。女性の天皇を認めるかどうかといった議論にも、天皇になるのは嫌だから、早く結婚して逃げるといった皇室の女性も出てくるのではないか。そして皇室のメンバーが、海外に生活の基点を移すということが今後も出てくる可能性もある。皇室も変わっていくわけであり、このあたりも私なりに観察していこうと思います。


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