昨日のニュースにはさすがに驚きました。
>上島竜兵さん死去 61歳 「ダチョウ倶楽部」メンバー
2022年5月11日 16時59分
お笑いグループ「ダチョウ倶楽部」のメンバーで、お笑いタレントの上島竜兵さんが11日未明、東京都内で亡くなりました。61歳でした。
上島竜兵さんは兵庫県出身で、1985年に肥後克広さんと寺門ジモンさんらとお笑いグループを結成し、「ダチョウ倶楽部」として活動してきました。
「ヤー!」「聞いてないよォ」などのギャグや、体を張ったリアクション芸で幅広い世代に親しまれ、テレビのバラエティー番組を中心に活躍しました。
また、俳優としてテレビドラマに出演するなど活動の幅を広げ、最近もテレビ番組やイベントに出演していました。
所属事務所によりますと、上島さんは東京都内の自宅で倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認されたということです。
61歳でした。
関係者によりますと、自殺とみられるということです。
上島さんの所属事務所がコメント発表
上島竜兵さんが所属する太田プロダクションは、公式ウェブサイトで「あまりにも突然のことで驚きに堪えません。今まで上島竜兵を応援して下さった皆様には心から感謝いたします」などのコメントを発表しました。
記事にはこのあと、「心の悩みに関する相談窓口」の紹介があります。
私は、最初Yahoo!ニュース(スポーツニッポンの記事)で彼の死を知り、その時は、「え!? 心臓病とかの突然死!?」と思いました。記事を読んでいて、最後に自殺についての相談窓口の記載があったので、自殺と知ってさらに驚いたわけです。
それで、たぶん多くの人がそうだったかと思いますが、私は、渡辺裕之氏の死を思い出しました。早い段階での記事を。
>渡辺裕之さん死去、66歳 自宅トレーニング室で発見 「縊死されました」妻原日出子事務所代表
[2022年5月5日11時49分]
渡辺裕之さんが今月3日、神奈川県内の自宅で亡くなっていたことが5日、分かった。66歳だった。関係者によると、自宅の地下にあるトレーニングルームで倒れていたという。
渡辺さんの所属事務所ユニコンの堀口明伯氏と同社と業務提携するYKエージェントの栗原健社長は、同社の公式サイトに連名でコメントを発表。
「弊社所属俳優、渡辺裕之(享年66歳)が自宅で縊死致しました。5月3日(火)昼頃に、ご家族により発見されました。あまりに突然の出来事に、ご家族もスタッフも驚きと悲しみに呆然としております」
と報告した上で
「マスコミの皆様におかれましては、ご家族のご心情にご配慮頂き、取材等はお控え頂けますよう、切にお願い申し上げます。尚、葬儀に関しましてはご家族との相談の上、密葬というかたちで執り行わせて頂きます」
と密葬を執り行う考えを示した。
(後略)
こういってはなんですが、私は、上島氏も渡辺氏も、芸能人としての彼らのファンというわけでは特にありません。しかし特にファンでない人間である私でも、彼らは、何らかの印象を残しています。そして2人とも、芸能人としての対外的な印象としては、あまり自殺などしなそうな人に私には見えました。
上島氏はハイテンションな芸で私たち視聴者をぐいぐいひきつけましたし、渡辺氏は、「リポビタンD」CMなどでやたら健康的というかパワーにあふれている人でした。渡辺氏が命を絶ったのがご自宅のトレーニング室だったというのも、ある意味彼の芸能人生を象徴しているところもあるかと思います。
そしてなにより、お二人とも売れっ子です。どちらも、たしかにひところよりはオファーや出演は減っていたのかもですが(どうなのかは知りません)、しかし渡辺氏も、2022年になってからも、Wikipediaなどを観た限りでは順調に仕事は入っています。仕事という面では、かなり恵まれているはず。それでこうですか・・・。
渡辺氏の奥様(原日出子さん)のコメントも、これは特に著作権も問題がないでしょうから、全文引用させていただきます。引用は、こちらから。
>この度は、夫渡辺裕之の突然の逝去に際し、関係各社、ファンの皆様に、大変ご心配をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。皆様にご配慮をいただき、本日、近親者のみで見送り、荼毘に付させていただきましたこと、ご報告申し上げます。急すぎる別れから一週間、とても心の整理も出来ませんし、語る言葉も見つかりません。「何故・・・」は、きっと誰にもわからないと思います。ただ、コロナの最初の自粛の頃から、人一倍家族思いで心配性な夫は、先行きの不安を口に出すようになり、考え込むことが多くなりました。何事にもストイックで、一生懸命で、手を抜くことをしない人でした。「眠れない」と体調の変化を訴えるようになり、自律神経失調症と診断され、一時はお薬を服用していましたが、またお仕事が忙しくなって、元気を取り戻 したようでもありました。しかし、少しずつじわじわと、心の病は夫を蝕み、大きな不安から抜け出せなくなりました。医師にも相談し、希望の持てる治療を始めた矢先の、突然の出来事でした。亡くなる前日は、楽しみにしていたゴルフ番組の収録に向けて、久しぶりに元気に動き回り準備をしていました。治療の甲斐もあったのかと安堵していたところでした。この数ヶ月、私も、家族も、懸命に向き合った毎日でした。でも、今は何を思っても、言い訳になってしまいそうで、後悔を数えたらきりがありません。渡辺にも、彼を大好きだった方達にも、申し訳ない気持ちでいっぱいです。今は全ての苦しみから解放され、自由になれたのだろうと信じたいです。渡辺は、信じられないほど綺麗で、安らかな顔で旅立ちました。それだけが、私たちの救いです。これまで渡辺を応援し、支えてくださった皆様に、心から感謝申し上げます。
2022年5月10日
原 日出子
つまり渡辺氏は、治療をしている状態だったわけです。ただおそらく医者も奥様や事務所ほか仕事関係の方々も、自殺というところまでは大丈夫だろうと考えていたでしょうから、あまりの事態に絶句されたということでしょう。
それで、これも昨年世間を驚かせた事件があります。たぶん記憶に新しいでしょう、
1分あるいは10秒でも我慢できれば、防げる自殺も多いはず(神田沙也加の死について)上の記事では敬称を略しましたが、この記事では表記の整合上敬称をつけます。
神田沙也加さんの事件は、仮に自殺だとしたら(まず間違いなくそうでしょう)、おそらく発作的なものでしょうが、上島氏、渡辺氏はどうか。覚悟の自殺か。その記事でも触れた 沖雅也氏は、死の少し前京都の松竹の撮影所を訪れていまして、どうも最後のあいさつをしに来たのではないかと関係者が語っているので、覚悟の自殺であった可能性が高いようです。なお、『太陽にほえろ!』で沖氏と上司部下の関係の役を演じた石原裕次郎は、最終回で、アドリブで、容疑者の妹に対して、沖氏演じたスコッチ刑事の想い出を語っているくらいです。裕次郎は、沖氏とは『男の世界』で共演しており(裕次郎がプロデュースした映画ですので、つまり裕次郎の起用のわけです)、それ以来の付き合いだったわけで、彼にとっても沖氏の死は強い衝撃だったのでしょう。なお『太陽にほえろ!』の刑事では、又野誠治氏も自ら命を絶っています(2004年)。
上島氏も、報じられているところでは(これからさらにいろいろな報道が出るでしょう)、現段階さすがに自殺をうかがわせるほどの状況は確認されていないようです。たぶん彼の死も、周囲は絶句するようなものなのでしょう。経済的な苦境による自殺などは、それをカヴァーするさまざまな政策や相談窓口などでなんとかできる部分がおおきいでしょうが、仕事には恵まれている(いた)と思われるこの記事で上げている4人の方々はねえ、早めに医者に行って治療を受けてもらうしかありません。そして少なくとも渡辺氏は医療にかかっていた。しかし残念ながら自殺という結末になってしまったわけです。
それで、タイトルにもしたように、外面というか、対外的な印象では、その人が自殺するかどうかなんてよくわからないという気がしますね。特に芸能人というのは、外面は明るい、あるいは他人を元気にするイメージを売り物にする場合が多いでしょうから、そういったところが精神的に負担が大きくなるという部分もあるかもしれません。素人考えでしかありませんが、そんな気もします。Wikipediaによると、ロビン・ウィリアムズは死の数か月前からうつ状態にあり、アルコール依存症専門のリハビリセンターに入院したこともあったということですが、医者にかかっていた渡辺氏も、周囲にはそこまで深刻な状況だとは思われていなかったでしょうから、つまりは何が起きても驚くには値しないのかもしれません。周囲がそれを防ぐためにどれくらいのことができるかわかりませんが、ともかくちょっと変だなと思ったら早めに医者へ行かせるなり相談所へ行かせるなりしたほうがよさそうです。決定的なものではありませんが、しないよりはいいでしょう。
以上とりあげたのは、いわゆる「有名人」ですが、読者の皆様も、もしあなたの周囲に自殺しそうな人がいましたら、可能な範囲でその人を助けてあげてください。もちろんそんなことが簡単なわけもありませんが、何もしないよりはいいでしょう。とても予想などできたものではない場合も多いでしょうが、ロビン・ウイリアムズのようにかなりやばそうな人もいるはず。そうだった場合たとえば職場の同僚とか学校の同級生なら、職場や学校の関係部署に連絡するといったことくらいでも可能ならしてあげてください。誤解ならむろんそちらのほうがよい。
上島氏と渡辺氏ほかの方々のご冥福を祈ってこの記事を終えます。