某日、生まれて初めてエキストラをやってきました。その作品のタイトルは・・・。
ぜひ書きたいのですが、書けません。すみません(苦笑)。この件の詳細をSNSで発表しないでくれといわれてもいますが、それ以前の問題として、題名その他を明らかにすることにより、私の個人情報がわかっちゃう可能性があります。それは私としては避けたいので、ご了解を願います。右翼その他から襲われてもいやなので。
というわけで、今日のところはきわめてあいまいな書き方ですが、エキストラを体験して興味深く思ったことを、また断片で書いていきます。
映画とは助監督次第であることを痛感する:映画の中で、私たちエキストラに対して複数の助監督がいろいろ指示をし、面倒をみてくれました。それで、ほかにもいろいろ助監督の方々の活躍をみるにつけ、あらためて映画とは助監督によって決まるんだなあと思いました。監督は、文字通り監督であって、細かい実務は基本的に助監督が担当します。優秀な助監督がいることが、いい映画のための大きな条件であることをあらためて理解しました。
そう考えると、素人監督が映画を撮れるのも当たり前だよなという気がします。優秀な助監督がつけば、映画はできます。伊丹十三はもともと映画には極めて強い人間ですが、同時期に素人映画監督としてデビューした和田誠も、まあいくら映画評論もこなす映画好きで、シナリオを書いたにしても、いい助監督がいなければ映画はつくれないし、いれば映画はできるわけです。
助監督次第だという話をスタッフの某女性(エキストラの相手をしてくれた女性)に話をすると、「はいそうです。本当に助監督さん次第です」という答えが返ってきました。そういうものなのでしょう。
俳優の存在感がすごい:ここでも誰かということを書きたいのですが、それも(当然)書けません。書いたら、そこから逆算されて、私の出た映画が推測されちゃうので。
私が参加した撮影は2日間でしたが、2日目に、名前を言えばだれでもすぐわかる大物俳優2人が来ました。やはり偉い俳優は最後に来るようで、やや遅い時間にきました。それで、とくにその1人の俳優が、後ろ姿からも、すごいオーラが私を突き刺しました。私も芸能人と無駄話をしたり、イベントで軽く話をした経験は何回もありますが、やはり本番中の芸能人の緊張感とその存在感はすごいですね。そういうのも想像はできますが、やはり実際に近くで見ていると、すごいなと思います。
で、その大物俳優2人が小声で話をしていました。私も近くにいたので若干話の内容を聞くことができました。内容は略しますが(断片的に聞いたものだし、さすがにそのような話を名前は出さなくても公表はできません)、こんなことが耳に入ってくるという経験も、やはりエキストラでもしなければなかなか私のような一般人ではありません。
このような食事をしていれば太る:ロケ弁を私もいただきましたが、いやはや揚げ物中心で、カロリーが高そうです。このような食事を連日続けていたら、それは太るなと思いました。実際助監督で太っている人もいました。やせている人は、体質的に太らないか、さもなければ自分で調整しているのでしょう。かなりのカロリーで、正直かなり大食いの私にも腹にずしりときました。
映画の撮影というのは肉体労働ですから(やってよくわかりました)、腹いっぱいになるものが必要なのはわかります。野菜ばかりでは、だめでしょう。しかしやはりあの弁当連日は、だいぶ健康にはよくなさそうです。ロケ弁ではありませんが、学生時代やせていた大島渚は、助監督で撮影現場の旅館で出された鶏ももをやたら食べたら太ってしまったという話を著書で書いていました。たしかこちらの本かな。実物がないので確認不可なのは乞うご容赦。
メイクの人が、エキストラの髪型にも気を使った:私が参加した作品はそれなりに金のかかっているものなので、スタッフの数もたくさんでした。そうしたらヘアメイクの女性(助手でしょうけど)が私の髪型をちょっと直してくれました。正直そこまでするのかと驚きました。私以外にも何人かの人が直されていました。そして、汗が出ていたらティッシュで拭うことまでしてくれました。低予算映画ではエキストラとかもあんまりお呼びでないでしょうが、それなりの規模の映画なら、そのようなものなのでしょう。
またやってみるかという気になった:私が参加したのは2日間、2日目は午前で撮影が上がったので、実質1日半というところでしたが、非常に面白かったですね。プロの俳優たちの演技もすごかったし、またエキストラとしてもいろいろ動きも指示されたりしてとても興味深かったです。これは、映画の公開が楽しみです。私がどのように写っているかということより、あの撮影がどのように編集されるかということに興味があります。シーン自体が削除されたらしょうがありませんが、たぶんそういうことはないと思いますので今からとても楽しみです。
余談:エキストラ経験がわりと豊富な方がいて、AKB48の某関係者は、態度が悪かったと言っていました。名前を書けば特に彼女らに興味がなくても誰でも知っている人ですが、その方の主観的な意見だし、またその日特に彼女が機嫌が悪かったという可能性もありますので、実名を出すのは控えます。ただ、私が大要「中原丈雄は大変腰の低い人だった」という話をしたら、その方は「そういうものですよね」といっていました。